自分で遺言を書いてみようと思うんだけど、なにか見本って無いのかな?
愛知県で【相続手続・遺言作成】を専門に行っている女性の行政書士です。
ここでは、具体的な自筆証書遺言の見本をお見せしますよ!
全文自筆の書き方と、目録は別紙で添付する書き方の2パターンをご説明致しますので、お好きな方を選んで作成しましょう。
【この記事の信頼性】
・遺言作成や相続手続を専門に行っている行政書士自らが書いています。
・実際に業務で多くの相続手続を行っており、豊富な経験に基づいたアドバイスを記載しています。
・建前と本音(実務)をあわせて掲載しており、単なる知識だけではなく、実際の手続きでお役に立てます。
全文自筆型の遺言書の書き方
まずは一般的なすべての文章を自筆で書く遺言書の見本をご紹介致します。
一文字間違えただけでも、実際の相続手続で無効となってしまう場合があります。間違えないよう気を付けて書きましょう!
縦書きでも横書きでもOKです。
遺言書は形式通りに書かないと無効になることがありますので、なるべくこの通りに順番に記載していきましょう。
自分なりにアレンジしたい気持ちはあるかもしれませんが、せっかく遺言を書いたのに、実際の相続手続で使えないのでは、意味がありません。
見本通りの文言で書けば、特に問題なく手続きができます。
①タイトル
まずは、タイトル。
「遺言書」と書いておきましょう。
②はじめに
最初に、「遺言者○○(自分の氏名)は、次の通り遺言する。」と書きましょう。
これじゃないといけない訳ではないのですが、なんとなくお決まりの文言です。
③財産内容
いよいよ財産に関する内容です。
遺言書の基本的な形式だと、
一、夫(○○)に次の財産を相続させる。
二、長男(○○)に次の財産を相続させる。
三、長女(○○)に次の財産を相続させる。
・・・・
※○○のところは、人の名前。
といったように、財産をあげる人ごとにまとめて書くのが分かりやすい書き方です。
順番は誰から書いてもいいのですが、一般的なのは、配偶者、子、その他といった年功序列の順番が多いです。
財産ごと(不動産、預金など)にあげる人を書いてもいいのですが、もらう側からすると、自分が何を相続するのか分かりやすい方がいいので、人ごとに項目を分けるのが一般的です。
土地、預金など、見本のような内容まで書いておきましょう。
あまりざっくりした内容だと、実際の相続手続で困る時があります。
財産内容を特定できる記載にしましょう。
逆に細かく書きすぎて、遺言を書いた時と、実際の相続手続の時に相違があると、今度は相続手続ができなくなります。
見本程度の内容を書くようにしましょう。
④その他財産
割と重要な項目です。
実際の相続手続をしていると、この項目があって良かったー!と思うことがあります。
「③で書いた財産以外のもの」を誰にあげるか記載しておきましょう。
一般的には相続人のうち誰か一人を特定しておきます。
たとえば、遺言を書いた時点では持っていなかった新たな財産が実際の相続の時には発生したりします。
この項目を書かないと、遺言書に書いてない財産は、相続人間で遺産分割協議書を作らないといけないので、必ず書いておきましょう。
ちなみに、逆に、遺言書に書いてある財産が無くなっていたらどうでしょう?
たとえば、遺言書を書いた時は持っていた土地を、亡くなる前に売却してしまった場合。
この場合は、特に問題ありません。
相続時に無い財産は、そのままスルーされます。
遺言書をわざわざ書き直す必要もありません。
ただし、各相続人がもらえる財産に不公平がでる場合は、誰に何をあげるのかを再考して遺言書を作り直してもいいと思います。
⑤遺言執行者
これも大事な項目です!
遺言書の中で、「遺言執行者」を指定しておきましょう。
一般の方にはあまりなじみが無い言葉かもしれませんが、相続の世界では「遺言執行者」の指定はとても重要です。
「遺言執行者」とは、遺言の内容を実現する人のことです。
遺言執行者を指定しておくと、遺言執行者の権限で、相続手続を進めることができます。
逆に指定していないと、実際の相続手続き誰がするの?という話し合いからしないといけません。
遺言執行者を誰にするべき?という問題ですが、これは、財産をたくさんもらう人にするのが一般的な気がします。
もちろん財産はあまりもらわないけど、責任感が強そうで、この人になら任せられる!と思う人を遺言執行者にしても構いません。
ただ、財産をたくさんもらう人の方が、より積極的に相続手続を進めてくれる気がします。ご参考までに。
⑥日付、住所、氏名、押印
一番最後に、一番大事な4点セットを書きましょう。
どれ一つ、省略はできません。
まずは、日付。
遺言書を書いた日付を書きましょう。見本のように、〇年〇月〇日まで書いてください。
和暦(令和)でも西暦でもOK!
次に住所。
住民票通りに記載しましょう。
そして、氏名と押印。
押印は認印でも大丈夫ですが、家族で印鑑を共有しているような場合は、実印を押した方がいいかもしれません。実印でないとダメという決まりはありません。
実際の相続でも、拝見した自筆証書遺言に押印が無いケースがありました。
これだと相続手続きに使えません。
せっかく遺言を書いたのですから、その遺言が実現できるよう、最後まで注意して作成しましょう。
目録添付型の遺言書の書き方
次に、目録をパソコンなどで作って遺言書に添付するパターンの書き方見本をご紹介します。
こちらの方が書く内容も少なく楽ですよ!
①②④⑤⑥は、先程説明した一般型と全く同じです。
③の書き方が異なるので、ご説明致します。
③財産内容
一般型同様、相続人(財産をもらう人)ごとに記載していきます。
ただし、詳しい財産内容は書かずに、見本のように「別紙目録〇記載の○○」といった書き方でOKです。
別紙目録も、すべての財産を一枚にまとめるより、あげる相手ごとに別紙1(夫に相続してもらう財産)、別紙2(長男に相続してもらう財産)・・・といったように分けておくと相続する側も見やすいと思います。
注意点!
目録を別紙として作る場合は、遺言本体だけでなく、別紙ごとに「署名、押印」が必要です。
その際の印鑑は遺言本体と同じものを押しましょう。
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