父が亡くなったんだけど、うちって相続税かかるのかな?

ふじい行政書士

愛知県で【相続手続・遺言作成】を専門に行っている女性の行政書士です。
相続税がかかるかどうかって大きな問題ですよね!
ご自身のケースで相続税申告が必要かどうかチェックしてみてください。

【この記事の信頼性】
遺言作成や相続手続を専門に行っている行政書士自らが書いています。
・実際に業務で多くの相続手続を行っており、豊富な経験に基づいたアドバイスを記載しています。
・建前と本音(実務)をあわせて掲載しており、単なる知識だけではなく、実際の手続きでお役に立てます。

相続税とは?

まず、相続税とは、「相続が発生した時に、相続財産総額が基礎控除を超える場合のみ相続人が行う税申告」のことです。

少し言葉が難しいのですが、「亡くなった方の財産総額」が「基礎控除」より多い場合のみ相続税申告が必要だと思ってください。

相続財産総額は、すべての相続財産を合計した金額で、基礎控除というのは、相続人の人数によって、計算で求めます。

財産総額が基礎控除より少なければ、相続税に関しては、特に何もしなくて大丈夫です。
(特例などを使う場合は、納税が無くても申告が必要なケースがあるので注意!)

平成27年の税改正以来、相続税申告は身近な問題になってきました。
改正前であれば、「相続税申告するのはお金持ちだけ」というイメージがありましたが、今では一般のサラリーマンのご家庭でも相続税申告するケースが増えています。

「うちはお金が無いから大丈夫」と思っていても、思ったより不動産の評価額が高かったり、相続人の人数が少ないと、基礎控除を超えている場合があります。

まずは、改正の前後で変更となった「基礎控除」についてみてみましょう。

基礎控除とは?

基礎控除とは、非課税枠のことです。
つまり、故人の財産総額が基礎控除額を超えている場合のみ、相続税申告をする必要があります

改正前の基礎控除額

平成26年12月31日までの基礎控除額は以下の計算式でした。

基礎控除額=5,000万円+(1,000万円×法定相続人数)

たとえば、相続人が妻、子2人の計3名の場合。
5,000万円+(1,000万円×3名)=8,000万円より多く故人に財産があれば、相続税申告が必要となります。

逆に言えば、財産が8,000万円以下であれば、税務署への申告自体が必要ありませんでした。

改正後の基礎控除額

平成27年1月1日以降はこうなりました。

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人数)

先程の例で考えると、
3,000万円+(600万円×3名)=4,800万円

3,200万円も差があります!
5,000万円ぐらいだと、「あれっ、うちは大丈夫かな?」と心配になりますよね。

また、故人の「財産総額」というのが問題で、不動産や預貯金などは評価方法が細かく決められています
明らかに基礎控除を下回るようであれば問題ありませんが、相続税申告が必要かどうか分からないという場合は、税理士さんに見てもらいましょう。

申告が必要なのに、申告していなかった場合、延滞税など余分に税金を支払うことになってしまいます。

相続放棄と基礎控除について

たまに聞かれるのが、相続人の誰かが相続放棄をした場合、相続税申告の基礎控除はどうなる?という質問です。

この答えは、「変わらない」です。

法定相続人の中で相続放棄をした人がいても、基礎控除額の計算式は同じです。
つまり、上記の例で法定相続人が3名で、子1人が相続放棄をしたとしても、相続税の基礎控除額は4,800万円のままです。

相続税はいつまでに申告するの?

相続が始まってから10か月以内に申告・納税が必要です。

「相続手続き」については、基本的に期限がありません。
中には、相続が発生してから、10年ぐらいそのままだった銀行口座を解約してほしいといったご依頼もあります。

しかし、相続の中でも、「相続放棄」と「相続税申告」は明確な期限があります。
それぞれ、3か月、10か月以内に行う必要があります。

期限ギリギリに手続きを始めると、必要書類を集めるのに意外と時間がかかってしまいます。
余裕をもって、準備を始めていきましょう。

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