こんな時はどうするの?相続人が海外にいて印鑑証明が取れない場合
家族が亡くなって、相続人のうちの一人が海外に住んでいるというケースは珍しくありません。
一言に「海外に住んでいる」といっても、結婚して移住した場合や、一時的に海外赴任中など、ご事情は様々でしょう。
相続人が海外に住んでいても、もちろん相続の手続きは進められます。
ただし、準備する書類が少し違ってきますので、それについて説明します。
戸籍は日本のままの場合
一次的に海外赴任などの場合は、戸籍は日本のままですよね。
ただし、住民票は転出している場合が多いので、その前提でお話します。
住民票が取れないと、印鑑証明書も取れません。
そうすると、海外居住者の相続人は遺産分割協議書にどのように書くのでしょうか?
通常の遺産分割協議書
まず、相続人が全員日本にいて、通常、遺産分割協議書にどう記載するのか?ということを確認します。
通常は、相続人全員が遺産分割協議書に、①住所記載(印字でもOK)、②署名し、③押印(実印)します。
その遺産分割協議書に④印鑑証明書(実印の証明)を添付すれば、出来上がりです。
相続人が海外にいる場合の遺産分割協議書
日本にいるその他の相続人は通常通り、①~④を行います。
海外にいる相続人はというと、次の手順で遺産分割協議書に記載します。
<STEP1>
(まだ署名等していない)遺産分割協議書を在留先の大使館もしくは領事館に持っていく。
※この際、パスポートなどの身分証明書を持参しましょう。
<STEP2>
大使館(もしくは領事館)の人の前で、①~③を行う。
この時、①はもちろん海外の住所です。③は印鑑の代わりに拇印を押します。
<STEP3>
大使館(もしくは領事館)の人に、署名証明をもらう。
※署名証明とは、「確かに本人が署名しましたよ」という証明書です。これが印鑑証明書の代わりになります。
署名証明には2種類あり、(1)分離型、(2)一体型とあります。
(1)分離型:日本の印鑑証明書のように、一枚の紙です。
(2)一体型:署名した紙(今回であれば遺産分割協議書)に糊付け、もしくはホチキス留めされた署名証明です。
相続の際は、(2)一体型の署名証明をもらってきてください。
<STEP4>
在留証明書ももらってくる。(住民票の代わり)
注意点!
・署名した遺産分割協議書を大使館に持参するのではなく、大使館の人の前で署名する必要があります!
・分離型ではなく、一体型の署名証明をもらう
・在留証明ももらってくる
このように、海外居住の相続人の場合は、少しちがった方法となります。
一時的に日本に帰国する予定があるのであれば、日本の公証役場で署名するという方法もあります。
いずれにしろ、相続人が海外にいても、きちんと相続手続きは進められますので、ご安心を!
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