相続でよく聞く『遺産分割協議書』って作った方がいいの?


相続が発生すると、遺産分割協議書は必ず作るものなのでしょうか?
作ろうかどうか迷っている方はぜひご一読ください!

遺産分割協議書とは?

相続の手続きで「遺産分割協議書を作ります」とお伝えすると、「祖母の相続の時はそんなの作らなかった」と言われたりします。

たしかに、遺産分割協議書が無くてもいい場合もあります。
そもそも、遺産分割協議書は何のために作るのでしょうか?

遺産分割協議書は、被相続人の財産について、どのような遺産分割が行われたか記録するための書類です。
後の紛争を予防するためのものでもあり、相続手続(不動産名義変更、預金解約など)の際の必要書類にもなります。

遺産分割協議書があった方がいい相続、なくてもいい相続をみてみましょう。

遺産分割協議書が必要な相続

①相続税申告がある相続

まず、相続税申告をする場合、各相続人が相続した財産額によって納める税金がちがってきます。
そのため、どのように分割したか分かる書類として、遺産分割協議書の写しを税務署へ提出します。

②不動産のある相続

故人に不動産がある場合、相続登記をするために遺産分割協議書が必要となってきます。
こちらも、法務局へ提出するために作成します。

③銀行や証券会社が複数ある相続

銀行の解約手続や、証券会社で株式の移管をする際、それぞれの金融機関で独自の様式(依頼書)に相続人全員が署名・押印する必要があります。
この書類は言ってみれば、各銀行、各証券会社の遺産分割協議書のようなものですが、その内容は、各銀行(証券会社)の財産のみについて記載したものです。

例えば、ゆうちょ銀行の相続届に相続人全員が署名・押印して手続きしたとしても、他の銀行の財産をどう分けたかはわからない訳です。
そのため、すべての銀行(証券)の依頼書に全員が署名・押印していく必要があります。

一方、各銀行(証券)の財産すべてをまとめたものが「遺産分割協議書」です。
これに各相続人全員が一回、署名・押印すれば、各銀行(証券)の依頼書には、その財産を受け取る方の押印のみで手続きできます。

そのため、銀行や証券が複数ある場合は、遺産分割協議書を作った方が楽ですし、後々どのように遺産分割を行ったか、一目でわかる書類となります。

遺産分割協議書が必要ない相続

①相続人が一人だけの相続

この場合は、分割する相手がいないため、相続税申告や相続登記があっても、遺産分割協議書を作成する必要がありません。

②遺言書がある相続

遺言書の分割が優先されるため、遺産分割協議書は無くても手続きできます。
税務署や法務局にも、遺産分割協議書の代わりに、遺言書を提出します。



昔と違って、相続に関しても様々な情報があふれています。
「うちは遺産分割協議書作ったよ」と知り合いに言われれば、作るものかな?と思ってしまいますが、相続ではそれぞれのケースによって、必要な書類や手続きがちがってきます。

ご自身のケースに当てはめて、遺産分割協議書を作った方がいいかどうか、よく考えてみてください。

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