評価方法によってこんなにちがう!相続における不動産の価格


相続財産で、不動産が含まれている方は多いと思います。
持ち家がある場合は、戸建てでもマンションでも当然相続財産となりますし、先祖から代々、田や畑を相続されている方もいるでしょう。

普段は固定資産税を払うぐらいで特に気にならない「不動産の価格」ですが、相続ではいくつかの評価方法があります。
預貯金であれば、100万円は誰が見ても100万円ですが、不動産を現金に換算しようとすると様々な方法があります。
目的によって異なりますが、一般的な評価方法についてご説明致します。

4種類の不動産評価方法

相続において、不動産の評価方法は主に4種類あります。
どれを採用するかは目的によって異なります。

①固定資産税評価額

一番ポピュラーなのは、固定資産税の評価額です。
不動産をお持ちの方は、4月にお住まいの役所から固定資産税の通知が送られてくると思います。

そのつづりの中に、課税明細書というのがあります。
その項目の中にある「評価額」が固定資産税の評価額です。

これは、不動産のある市町村が評価した価格となります。
3年ごとに見直しされます。


ちなみに、未登記(法務局に申請していない)であっても、課税するために市の方がちゃんと調査して評価しています。

②路線価

相続税申告の場合、土地の評価は路線価を用います。
路線価地域でない倍率地域の場合は、①固定資産税評価額を用います。
建物の評価は
どちらの地域であっても、固定資産税評価額です。

不動産のある場所が、路線価か倍率かは、国税庁のHPで調べられます。
https://www.rosenka.nta.go.jp/

評価する土地の接している道路によって、評価額が変わります。
ご自身の土地が接している道路に、例えば300Dと書いてあったら、1㎡あたり30万円ということです。
その価格に不動産の面積を掛けた金額が、不動産の評価額となります。

土地が接している道路に何も書いてなければ、倍率地域です。
の場合は、(固定資産税評価額)×倍率(市町村が決める)が不動産の評価額です。

路線価は国が決める評価額で、毎年7月に変わります。
亡くなった年の評価額を
用いるので、2020年1月1日以降に亡くなった方は、2020年7月発表の路線価を使います。

③公示価格

こちらは、国が定めた不動産評価額です。
相続で使うことはあまりありません。
というか、使ったことないです。

ちなみに、①固定資産税評価額は公示価格の70%、②路線価は公示価格の80%と言われています。

④時価(売買価格)

時価は、評価する方によって様々なので、もめている相続ではたまに話題となります。
不動産をもらう人は低い評価方法の方がいいですし、預貯金をもらう方は不動産を高く評価した方がご自身の取り分が増えるからです。

「時価で不動産評価」という話が相続人のどなたかからでてくると、「もめるな・・・」と感じてしまいます。

すでに不動産の買主が決まっている場合は、実際の買取価格を財産目録の評価額として使ってもいいと思います。
時価で相続評価をする場合は、複数の業者に査定を依頼し、不公平感が無いようにしましょう。

どの評価方法を用いればよいか?

それでは、①~④のどれを故人の相続財産として評価すればいいか?ということですが、前述のように目的によって変わります。

相続税申告がある場合は、勝手に選べないので、②にするしかないです。
相続税申告がない場合は、相続人同士が納得すればどの評価方法でもかまいません。

極論、駅前の一等地を1円と評価しても、相続人全員が納得すればそれで構いませんが(相続税額は路線価で決まります)、法定相続分を決める目安としては①をお勧めしています。

相続税申告がある場合も、建物は①固定資産税評価額を用いますし、遺言を書く際の公証人手数料も①を用います。
そのため、通常の財産目録では、①固定資産税評価額で評価しています。


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