通帳記帳していますか?【相続税】との関わり
ATMではキャッシュカードを使うから、通帳記帳なんて何年もしていないわ。通帳記帳と相続税ってどう関係あるの?
愛知県で【相続手続・遺言作成】を専門に行っている女性の行政書士です。
ここでは、通帳記帳が相続にどう役立つのか、ご説明しますよ!
【この記事の信頼性】
・遺言作成や相続手続を専門に行っている行政書士自らが書いています。
・実際に業務で多くの相続手続を行っており、豊富な経験に基づいたアドバイスを記載しています。
・建前と本音(実務)をあわせて掲載しており、単なる知識だけではなく、実際の手続きでお役に立てます。
突然ですが、ATMでお金を引き出す際、通帳の記帳ってしていますか?
キャッシュカードのみという方も多いのではないでしょうか?
一見、相続とは関係の無い話題のように思えますが、相続手続をずっと行ってきた私としては、たまには通帳の記帳をお勧めします。
その理由は・・・
相続税申告で通帳を調べる訳
亡くなった方の財産が、基礎控除額を超えていて、相続人が相続税申告をする必要がある場合、税理士さんは、故人や相続人の通帳の動きを調べます。
大体、過去5年~10年ぐらいです。
それは、亡くなる前に「贈与」をしていないか? 不明なお金の動きはないか?などを調べるためです。
その時に、調べる資料が通帳です。
相続が発生しそうになると、急いで生前贈与を始めるというのは、よくある話です。
財産を何とか基礎控除内におさめて、相続税申告から逃れようとするためです。
たしかに、年間110万円までの贈与は非課税ですが、それを超えた財産を生前にもらってはいないでしょうか?
贈与が無いことを証明するためにも、たまには通帳の記帳をしておくことをオススメします。
ご自身が相続税申告の必要があるかどうか調べる方法はこちらから
相続税の基礎控除について
銀行の取引履歴とは?
通帳の記帳をしていなかったら、お金の出し入れって他に確認する方法あるの?
相続では、通帳の記帳が無い場合、銀行で「取引履歴」というものを取ることがありますよ。
通帳が記帳されていない場合、銀行で「取引履歴」を発行してもらいます。
入出金の記録です。
手続自体は、残高証明書をもらうのと同じで、①依頼書(銀行独自の様式)、②被相続人の死亡戸籍、③被相続人と相続人の関係が分かる戸籍、④相続人の印鑑、⑤相続人の身分証などがあれば可能です。
詳しい残高証明書の取り方はこちらから
残高証明書について
しかし、私がお伝えしたいのは、手続きの難しさではなく、その「手数料の高さ」です。
【取引履歴手数料の例】
・A銀行の手数料:証明1か月あたり300円
・B銀行の手数料:証明1年につき1100円
この手数料で、仮に5年分取得したら・・・
・A銀行:300円×12か月×5年=18,000円
・B銀行:1100円×5年=5,500円
そうです。手数料が高いんです。
5年分ならまだ短い方で、10年分必要な場合もあります。
複数口座ある場合、それぞれで取引履歴が必要となったら・・・
もしかしたら、預金残高より高くなる可能性もあります。
それでも、税理士さんに必要と言われたら、銀行に手数料を支払わなくてはなりません。
例外もあります
銀行にもよると思いますが、インターネットバンキングを利用している場合、10年分でも無料で履歴が取れるようです。
また、銀行によっては、10年分の履歴を1,000円未満で取得できる場合があります。
しかし、日頃から通帳に記帳さえしていれば、無駄な手数料を支払う必要がありません。
ほとんど睡眠口座になっているような銀行であれば、なおさらこれを機に解約してしまうのも手だと思います。
通帳は記帳して、ある程度の年数分は捨てずに取っておきましょう。
亡くなった方の通帳記帳の仕方
ご家族が亡くなって、持ち物を調べたら通帳がでてきた時。
通帳の中を開けてみても、普段キャッシュカードで引き出しをしていると、通帳の記載は古いままですよね。
ところで、亡くなった方の通帳記帳ってできるんでしょうか?
答えは、「場合によってはできます」
「場合」って何?と思われるかもしれませんが、条件がそろえばできます。
たとえば、相続人がその銀行の暗証番号を知っていて、ATMで通帳記帳をすればできます。
または、残高証明書を取得する際など、故人の死亡戸籍や相続人の戸籍を持って窓口に行けば、通帳に記帳してくれます。
「亡くなると銀行口座って凍結されるんじゃないの!?」と思われた方は、こちらもご参考までに↓
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