【行政書士が教える】遺言書には検認が必要って本当?→【回答】必要な場合があります!

父親が亡くなって直筆の遺言書がでてきたんだけど、相続手続をしようと思って、これを銀行に持って行ったら、「まずは裁判所で検認してきてください。」って言われちゃった。
「検認」ってなに?どうやってやるの?

ふじい行政書士

愛知県で【相続手続・遺言作成】を専門に行っている女性の行政書士です。
ご家族が亡くなって、相続手続をしようとした時に、遺言の通りに分けようと思うことありますよね。
ただし、遺言書の種類によっては、相続手続の前に裁判所で検認という手続きが必要な場合がありますよ。
ここでは、どういう遺言書は検認が必要なのか?また、検認について詳しくご説明しますよ!

【この記事の信頼性】
遺言作成や相続手続を専門に行っている行政書士自らが書いています。
・実際に業務で150件以上の相続手続を行っており、豊富な経験に基づいたアドバイスを記載しています。
・建前と本音(実務)をあわせて掲載しており、単なる知識だけではなく、実際の手続きでお役に立てます。

相続の際、亡くなった方が遺言書を作っていれば、その遺言書を使って相続手続(不動産名義変更、預金解約など)をすることができます。
ただし、遺言書の種類のよっては、相続手続の前に「遺言書の検認」が必要となります。

「遺言書の検認」とは具体的にどういった手続きなのでしょうか?
また、一言に遺言といっても、検認が必要なケースと不要なケースがあります。
詳しく見てみましょう。

まずは「検認」とは?

「検認」とは、遺言書の状態や内容を明らかにして、偽造や変造を防止するための手続きです。

つまり、見つかった時、その遺言がどのような状態で、何が書かれているかを第三者(裁判所)立ち会いのもと、明らかにするということです。

ここで注意が必要なのが、検認はあくまでも遺言書の状態の確認であり、内容の「有効・無効」を裁判所が判断する訳ではないという点です。

そのため、裁判所による検認が終わった後に、実際の手続(不動産名義変更、預金解約など)でその遺言による手続きができないケースももちろんあります。

ふじい行政書士

実際に担当した相続でも、自筆証書遺言の場合、検認が終わっていても、銀行の解約や不動産の名義変更の際に無効と判断され、遺言書で手続きできない場合がありました。

検認が必要なケース

故人が遺言書を作っていた場合、相続人は家庭裁判所で検認をする必要があります
ただし、検認は「自筆証書遺言」のみで、「公正証書遺言」は検認不要です。

また、新しい制度である「法務局保管されている自筆証書遺言」も検認が不要というのが大きな特徴です。

公正証書遺言の場合:検認不要
自筆証書遺言の場合:検認必要(ただし、法務局保管の場合は検認不要)

自筆証書遺言と公正証書遺言のちがいについて詳しくはこちらから
【専門家監修】誰にでもできる!【遺言書】のススメ

ふじい行政書士

どういう場合に検認が必要となるか分かったところで、ここからは検認について詳しく説明していきますよ!

検認は誰が申請できる?

検認は誰でも申請できる訳ではありません。
主に次の2つに該当する方が検認できます。

・遺言書を発見した相続人
・遺言書の保管者

ふじい行政書士

法務局保管の自筆証書遺言を除いて、作成した遺言書はご自宅などで保管していることが多いと思います。亡くなった方が遺言を作っているかどうか、故人の持ち物をよく探してみましょう。

どこの家庭裁判所でも検認できる?

どこの裁判所でも検認できる訳ではありません。
「遺言者(故人)の最後の住所地」の家庭裁判所に行ってください。

開封していると検認できない?

実際に相続の相談に来られる方で、亡くなった方の遺言書をお持ちの方は、私の印象では10人に1人ぐらいでしょうか。
財産の分け方というより、お手紙のような遺言も含めるとそれぐらいの割合かと思います。

自筆の方も、公正証書の方もいらっしゃいます。
どちらかといえば、自筆の方が多いように思います。

みなさん、検認はされる前の状態でご持参されます。
「検認に行ってきました!」という方はいなかったと思います。

ただ、ほとんどの方は開封した状態で持参されます。
本来、遺言書は開封厳禁なのですが、開封していてもその後の検認はできます
(そもそも封印されていない遺言書もありますし・・・)

というより、検認されていない遺言書は相続手続に使えないので、開封されていようが必ず検認が必要です。
開封されていても遺言書が無効になる訳ではないのですが、開封すると過料(罰金)となる可能性があるので、ご注意ください!

また、他の相続人から偽造したのでは?とあらぬ疑いをかけられないよう、開封はせずに検認しましょう。

検認に必要なもの

ふじい行政書士

実際の検認手続に必要なものについてご説明していきます!

<検認に必要なもの>
①申立書(裁判所の様式)
②戸籍一式:亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの一連の戸籍、相続人全員の戸籍等、相続手続に使用するのと同じ戸籍が必要となります。

戸籍の取り方について調べたい方はこちらから
「こんなに大変!相続手続で必要となる戸籍」

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