民法改正③ ~居住用不動産の持戻し免除~

こちらも、配偶者居住権同様、配偶者の相続分を保護するための改正です。

従来であれば、生前に配偶者に贈与された居住用不動産は、故人の相続財産に持戻す必要がありました。

持戻しとは何か?

「持戻し」とは、すでに贈与した財産を、再度故人の財産に含めることです。
生前贈与の場合、相続財産の先渡し(特別受益)と考えます。

例えば、以下のケースの場合。
相続人:配偶者、子2人の計3名
相続財産:自宅(生前配偶者に贈与したが持戻し分)2000万円、預金2000万円の計4000万円

各自がもらえる法定相続分は以下の通りです。
配偶者:自宅(2000万円)
子:各自預金1000万円ずつ
配偶者は、生前にもらったはずの自宅をあらためて相続するだけで、預金はもらえなくなってしまいます。

改正でこう変わります

先程の事例で、改正後は持戻しが免除されるため、法定相続分はこう変わります。

配偶者:(自宅2000万円)、預金1000万円
子:各自預金500万円
※自宅は相続財産に含めない。

注意点

改正の対象となるのは、婚姻期間が20年以上の夫婦間での生前贈与または遺言による遺贈をした場合です。

いつから始まる?

令和元年7月1日より始まっています。

相続の事ならお気軽にご相談ください